上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
墓地に一歩入ると、
目に飛び込んできた光景に俺たちは言葉を失った。

そこに広がっていたのは、街でのドンチャン騒ぎや
墓地の外の沿道の賑わいからは想像もできない、
静かで、暖かく、幸福感に満ちあふれた空間。

DSC_9226.jpg

これでもかという程、惜しげも無く盛大に飾られた、
マリーゴールドやラン、バラなどの色とりどりの花々、
所狭しと置かれた十字架や、ガイコツ、人形、カボチャのランタン、
メスカルやセルベッサ、ワインなどの酒類、
バナナ、オレンジ、リンゴ、洋梨などの果物、
そして無数に置かれたキャンドルに灯るオレンジ色の灯り。

DSC_916003.jpg

それぞれ最高にかわいらしく、賑やかに飾り付けをされたお墓たち。
一目見ただけでは、それが墓地だと分からない程、
幻想的でロマンチックな、まるでおとぎ話の中の世界のよう。

DSC_9234.jpg

その横に、故人の家族や友人たちが腰を下ろして、
ある者は数人で故人の思い出話にひっそりと華を咲かせ、
ある者はひとりでじっと優しい目線をお墓に投げかけ、
ある者は楽団を呼び寄せて、恐らく故人が好きだったのであろう、
陽気で、且つどことなく哀愁の漂うラテンのナンバーをお墓の脇で合唱し、
それぞれ思い思いのスタイルで、帰ってきた大切な人との対話を楽しんでいた。

DSC_9203.jpg


DSC_9191.jpg


涙を流す人や、嘆く人、何かに対して憎しみの表情を浮かべる人、
悲しみに暮れたような表情の人なんて誰もいない。

それどころか、「写真を撮らせて頂いてもいいですか?」と聞くと、
みんなこっちを向いてニコリと頷いてくれたり、
「Si~~!!」と言いながら満面の笑みを浮かべてくれたり、
仮装したまま墓参りに来ている人はポーズまでとってくれたり、
まるで誇らしくもあるかのようにステキな答えを返してくれた。

DSC_9244.jpg

今まで「墓地」というものに抱いていたイメージが、
一気にガラガラと音を立てて崩れさった。
「墓」という単語を聞いて、パッと頭に思い浮かんだ言葉を羅列してみても、
悲しみ、黙祷、合掌、厳粛、幽霊、念仏、肝試し、怖い…
決してポジティブではない言葉ばかりが思い浮かぶのに、


未だ嘗て、こんなに幸せな空気に満ちあふれた墓地があっただろうか?

DSC_9221.jpg


それぞれに故人との楽しい思い出を反芻し、
それを思い出し笑いのようにクスリと幸せを噛み締めたかのような、
そしてその思い出を、目には見えないけど、
隣りにいる大切な人と語らい合っているかのような、
優しさの溢れる、幸せな空間。


あまりの多幸感で、

不思議と自分の胸まで満たされて、

気が付くとボロボロと泣いていた。

その景色があまりにも幸せ過ぎて泣いていた。

ああ、世界中のお墓がこんな雰囲気だったら、

世の中はどれだけ幸福で、亡くなった人たちもどれだけ嬉しいだろうか。

DSC_9167.jpg


俺は決してスピリチュアルな人間でもなければ、
魂だの霊だのというものの存在を、
肯定こそすれど全く意識などしたことない。
だから、正直に言えばお盆だからといって亡くなった人たちの霊魂が
帰ってきているとも、一緒にいるだとも思ったことなど無かった。

でも、何故かこのホホ村の墓地に来て、初めて

死者の魂は帰ってきているし、
彼らとの思い出を思い返したり語らい合ったりすことで、
彼らも同じ空気を共有して、喜び合うことが出来る。
少なくとも、このホホ村の墓地に来ている人たちはそうしている。

そう確信した。


DSC_9289.jpg


耳元で、死者の魂が呟く。


Hey、アミーゴ!!

どうだ、メキシコの「死者の日」の祭りは?

目ん玉が飛び出る程ステキだろ?

俺っちの墓は見てくれたか?

へっへっへ、最高だったろ!?

今年は大きくなった末娘が一生懸命飾り付けしてくれたんだぜ!!

このガイコツの楽団なんて最強にカワイイだろ?

何っ?ヒゲ面の俺っちに似合わないだって!?

ウルセー、放っといてくれ!!

まぁ、これがあるから、

俺たちもあの世でヨロシクやってられるってもんさ。


Hey、アミーゴ!!

俺たちにとって何が一番悲しいことか分かるか?

それは、俺たちのことを誰も思い出してくれなくなってしまうことさ。

もし、「死者の日」に折角帰ってきても、

誰も俺たちのことを思い出してくれなかったら、

一体俺たちは何処に行けばいい?

一人寂しく墓場の隅っこでメスカルでもチビチビやってろってのか?

そんなの寂し過ぎるだろ?

でもな、少なくともここではそんな悲しいヤツは誰ひとりいないぜ!!

そりゃーアミーゴたちの国に比べれば、

治安だって良くないし、貧乏なヤツも多い。


でもな、


死んじまってもこんなに俺っちのことを思い出してくれる

最高にステキな家族がいて、

俺っちの為にガバガバと陽気に酒を飲んでくれる

最高のアミーゴとアミーガがいて、

みんなこんなに、俺たちの里帰りを盛大に祝ってくれるんだぜ!!


どうだ、最高だろメキシコは!!!!!


だから、アミーゴ。

オマエさんも国に帰ったら、ちょっとでもいいから、

死んじまったじーさん、ばーさんや友達の為に、

陽気に乾杯してやってくれや。

あ、言っておくけど、

絶対に悲しんだり、嘆いたりするなよ。

少しくらいは泣いてくれても嬉しいだろうけど…

やっぱな、出来る限り笑ってやってくれぃ!!!!

俺たちにとってな、一番嬉しいことはやっぱ、

今生きてる家族やアミーゴたちがハッピーでいてくれることなんだ。

だからな、アミーゴ。

国に帰ったらハッピーにやってるところを、

墓の前でちゃんと報告してやんなよ。

そんで、オマエさんの国の「死者の日」の祭りでは、

出来るだけ笑顔でいるんだぜ。

いいな、アミーゴ!!


おっと、オマエさんのアミーゴたちが「腹減った」だってよ。

そら、外の屋台でタコスでも食ってこい!!!!

じゃーな、アミーゴ。

いつかまた、今度はオマエさんの大切な人でも連れて、

またこのステキなオアハカの街に帰ってきてくれや。

気が向いたら、また俺っちにも会いにきてくれ。

じゃあ、俺っちはセルベッサでも飲みながら、

墓で娘たちが来るのを待ってるぜ。

達者でな、アミーゴ。



DSC_9180.jpg



Dia de Muertos.

死んだ人たちの為の、みんなが主役のラテンのお盆。

あの世とこの世が混じり合う、

世界で最も陽気で幸福な祭り。

今まで見てきた祭りで、一番ステキなお祭り。

絶対に、一生忘れることはないであろう、最高のお祭り。

DSC_9211.jpg

11月3日、

街を離れるバスの車窓から街を見下ろし、

「いいもん見せて頂きました。感謝します」

と、クリスチャンでもないのに十字を切った。


 ーー☆ーーーー☆ーーーー☆ーーーー☆ーーーー☆ーーーー☆ーーーー☆ーー

オリジナルバナー制作しました。1日1度、クリックヨロシクです。
  ↓  ↓
にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ
にほんブログ村
 
にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ
にほんブログ村
 ↑ ↑
「面白いじゃん」とか「コイツバカじゃん!!」とか思ったら、
クリックして頂けると嬉しいです。狂喜乱舞します。

 ーー☆ーーーー☆ーーーー☆ーーーー☆ーーーー☆ーーーー☆ーーーー☆ーー
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://3shinjourney.blog62.fc2.com/tb.php/132-75bf31c5
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。